お線香のどうして?
2011.02.01
仏壇やお墓の前で線香に火をともし手を合わせる。
お寺の大きな香炉に線香を立てて体の調子の悪い部位に煙をあてる。
よく見かける光景であり自分自身も行っている行動だと思いますがそもそもどうしてお線香をあげるのでしょうか?
お線香の香りは故人の食べ物
仏教経典に「線香の香貴を食べ物とし善行を行った者は良い香りを食べる」という記述があるそうです。
「食香」と呼ばれ、中陰(亡くなってから四十九日間)の食べ物が線香の香りとされています。
お線香の香気を食べることであの世へ向かうための身体が形成されるというのです。
宗派や地域によっては、この四十九日間は「寝ずの番をして線香の火を絶やさないようにする」習慣が残っています。
四十九日までのお線香を焚くことは、故人があの世に逝くまでお腹を空かせないよう冥福を祈る大切な供物になるのです。
お線香の香りは身を清める
仏教はもともとインドで生まれた宗教です。大変暑い場所ですので腐敗が早く進み悪臭を放つようになります。
また、インドは白檀や伽羅をはじめとした香木の産地でもあり、この香木を焚くことで腐敗による悪臭を防ぎました。
これが仏教に取り入れられ、お香は不浄を払い心身を清めるものと位置づけられました。
お線香をあげる人自身の心身を清める意味も込められています。
故人への挨拶の前にお線香に火をつけるのは、その香りで俗世で汚れた心や体を一掃することができると考えられているからです。
お線香を通じて仏様とつながる
お線香をあげるという行為は仏様となった故人と心を通わせる場でもあります。
お線香の香によって仏様にあなたの存在を知らせ、天に昇ってゆく煙と共に、あなたの願いや思いを仏様に届けてくれるとされています。
お線香をあげる人の心と仏様をお線香の香りで繋げることができるのです。
お線香やお供えものについて、お気軽にお問い合わせください。